本牧リボンファンストリートの商店街ブログ

本牧OZさんに、「夕なび湘南～横浜」の宮内さんが、、

予告編
創業者渋谷久吉は土佐出身、ハイカラな人でドイツ製のピスト自転車や２眼レフのカメラを持っていた。
羽二重の仕事関係から、カナダ・バンクーバーに７年間在住、洋裁の仕事を始め、帰国後関東大震災に被災するも、苦労の末本牧2丁目に「シスター」洋装店を開店、天皇陛下の洋服を仕立てるまでに繁盛した。

渋谷久吉逝去後「シスター」を閉店、二代目渋谷英行が昭和22年現所在地に移転し「Bon Gout　ボングー」を開店、カナダ・バンクーバー生まれの流暢な英語とともに久吉から技術を受け継ぎ活躍した。

久吉、英行とも絵がうまく多くの作品を残している。スタイル画だけでなく風景画も描いていた。

戦後すぐ。郷里の四国からこちらへ親戚など、どんどん人を呼び人出不足を解消した
昭和22年頃は、スタイルブックなど無かったので、進駐軍のハウスから出される新聞を日本人のハウスキーパーから借りて、広告に描かれたスケッチをトレースして仕事に役立てていた。
弁天通に正田美智子さんのドレス（デザインはクリスチャン・ディオールのデザイナーが担当。）を作った新井直三郎氏の洋装店があり、ウィンドー飾られていたあるセンスのある素敵なドレスを写生し、真似して作ってたりもした。
当時の型紙は新聞紙を利用、布がない時代で、和服の生地で洋服を、米軍のシーツで夏服を作っていた。

とにかく忙しくて、大変な時期は朝2時に寝て4時から仕事だった。
仕事中に眠ったりすると、禅寺みたいに鯨尺で叩かれた。
すべての布地は水に漬けて伸ばしたり縮めたりしてから使った。

英行が使っていたモデルは藤田泰子（女優）、小桜葉子（女優・美容体操　 加山雄三の母）、相島政子、ヘレン・ヒギンス（１１ＰＭでカバーガールを務めた）、渥美延、今井延子（俳優）、近藤忠子、鈴木祥子、家田由紀子、我妻マリ、丘ひろみなど。

当時、お客さんのほとんどは外国人。各国領事夫人、オメガやエッソ支社長の夫人など会社重役夫人、米軍将校夫人、女性将校など。野村洋三の孫・久米さんもお客さんだった。

1953年（昭和28年）アメリカで行われたミスユニバース第2回世界大会に出場して総合第3位の「八頭身美人」伊東絹子（当時、本牧三之谷在住）もドレスも作った。
採寸の間に虎屋の羊羹を出してさしあげたが、体形を考え50センチのウエストを維持するため絶対に食べなかった。

当時の仕立て代金はスカート１着が２５００円くらい、ドレスとなると９０００円から１万円くらいだった。
（昭和３０年代の公務員の初任給は９０００円)

型紙は使用する布によって変え、最初から本物を作るのではなく、まずは仮の布を使用して作った。
お店ではお客様が鉢合わせしないようにしたり、他の客の作品が目に付かないよう隠したりし、誰が何処でどんな服を作っているかお互いに知られないような配慮をおこなった。

洋装店は日本的な洋服を作る洋服店とは違いオシャレなものを作っていた。

店で作る服は大切に使ってもらいたいから、腕の良いクリーニング屋も紹介していた。
元町の都クリーニングだ。

平成７年、渋谷英行逝去後、仕立てがストップ。、販売専門になりタイで仕入れた服、絵画、カレンダーなどをたまに販売している。

いまでも、着物の反物を裁つときに欠かせない「鯨尺、くじらじゃく」というものさしもおいてあります。

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